人前で何か言う前。
やったことのないことを始める前。
仕事で初めてのことを任された時。
そんな場面で、やる気はあるのに身体が重くなることはないでしょうか。
やってみたい気持ちはある。
必要だとも分かっている。
でも、喉が詰まる。
呼吸が浅くなる。
手をつける前から、もう少し準備してからの方がいい気がしてくる。
恥をかきたくない。
もっと積み上げてからの方がいい。
今の自分では足りない。
そうやって考えているうちに、時間だけが過ぎていく。
あとに残るのは、また動かなかった後悔と、怖がっている自分への情けなさだったりします。
このくるしささは、怠けや甘えの話だけではないと思います。
始める前に自分を止めるのにも、それなりの理由がある。
それはたぶん、失敗を避けたいからです。
できれば傷つきたくない。
変なふうに見られたくない。
取り返しのつかない感じを味わいたくない。
そう思うのは自然です。
むしろ、失敗を避けたい気持ちが強い人ほど、始める前に止まりやすい。
雑だから止まるのではなく、ちゃんと見てしまうから止まることもあります。
先のことを想像できる。
失敗した時の痛みも、妙に具体的に見えてしまう。
それで、自分を守るように足が止まる。
そういうことはあります。
ただ、ここで苦しくなるのは、その慎重さが強くなりすぎて、始める前から自分を止めてしまうことです。
もっと整ってから。
もっと準備してから。
もっと自信がついてから。
そう言いながら、振り返ってみると、今まで始めてきたことの多くは、そこまで完璧に整ってからではなかったはずです。
準備不足なまま始まったこともあった。
少し怖いままやったこともあった。
やりながら整っていったことも多かった。
そう考えると、全部整ってからでないと始められないわけではないのだと思います。
ここで大事なのは、失敗の怖さそのものをなくそうとしないことです。
怖いものは怖い。
それでいい。
ただ、その怖さに全部の判断を渡さなくていい。
今回役立つのは、失敗の想像と、事実を分けることです。
たとえば、
・ 失敗したら恥ずかしいかもしれない
・ うまくできないかもしれない
・ 笑われるかもしれない
これらは、起こる可能性がゼロではないとしても、まだ想像の段階ですし、言い方を変えれば大部分が妄想と言っても良いでしょう。
一方で事実としてあるのは、
・ まだやっていない
・ 今は怖いと感じている
・ 身体が重い
・ 緊張で喉が詰まっている
・ 一歩目が大きすぎるかもしれない
このくらいです。
この違いを見ないまま、「もう無理」と決めてしまうと、想像がそのまま結論になってしまう。
だからまず、何が事実で、何が頭の中の予測なのかを少し分ける。
それだけでも、止まり方は少し変わります。
もう一つ大切なのは、やるかやらないかではなく、対象に触れるだけにすることです。
これはかなり使えます。
しかも、少し荒療治っぽいけれど、現実的です。
たとえば、
・ 発言するのが怖いなら、まず言う内容を一文だけメモする
・ 投稿するのが怖いなら、公開ではなく下書きだけ作る
・ 申し込むのが怖いなら、申し込みページを開くだけにする
・ 仕事の新しいことが怖いなら、資料の一枚目だけ見る
・ 連絡が怖いなら、送る文章の冒頭だけ書く
ここでは、成功させることが目的ではありません。
止まっている自分が、対象に少し触れること が目的です。
人は「やる」と決めると急に重くなります。
でも「触れるだけ」まで下げると、動けることがあります。
その一歩は小さい。
けれど、始める前から完全に止まっている状態とは、かなり違います。
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そして、止まっている自分への言葉も見直していい。
また動かなかった。
やっぱりだめだ。
情けない。
そう言いたくなる気持ちは分かります。
でも、そこで少し事実を見直してみる。
・ どこでやれるのかリサーチした
・ 始めてみる日程を立てた
・ 怖さがあることに気づいた
・ 一文だけでも書いた
・ そもそも対象に少し触れた
このへんも、ちゃんと事実です。
ここを「そんなの動いたうちに入らない」と切り捨てると、始まる前の小さな動きが全部なかったことになります。
でも実際には、そういう前段階があるから近づけることも多い。
だから、結果の前に、近づいてみたこと に気づくのはかなり大切です。
今回、一番伝えたいのは
始めてみたい自分の気持ちまで、怖さと一緒に押しつぶさなくていい ということです。
失敗が怖い。
それはある。
でも同時に、やってみたい気持ちもある。
人前で言ってみたい。
新しいことに触れてみたい。
挑戦したい。
その気持ちは、軽く扱わなくていいのです。
怖さだけを見ると、止まる方向に引っぱられやすい。
でも、やってみたい気持ちも事実として置いておくと、少し動き方が変わります。
失敗が怖くて動けない時。
必要なのは、怖がる自分を叱りつけることではないのかもしれません。
まずは、
・ 失敗の想像と事実を分ける
・ 一歩を小さくしすぎるくらい小さくする
・ やるかやらないかではなく、触れるだけにする
・ 止まっている自分への言葉を見直す
このくらいからで十分です。
怖さがあっても、小さく動ける。
もう動けている部分がある。
結果の前に、近づいてみたことにも意味がある。
そこに気づけたら、始める前から全部を止める流れは、少しずつ変わっていきます。
失敗の怖さが強く、始める前に毎回止まってしまう感じが続くなら、
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