友人と予定を合わせる時。
職場で空気を読んで、質問や意見を控えた時。
本当は少し引っかかっていたのに、嫌じゃないふりをした時。
そんな場面のあとで、自分が本当はどうしたかったのか分からなくなることはないでしょうか。
その場では、そこまで大きな問題には見えないことがあります。
「まぁいいか」
「自分が合わせればいい」
「相手に合わせた方が楽かもしれない」
そう思って、その場を収めることができる。
でも、あとから少し気になる。
疲れる。
重くなる。
胸やお腹のあたりに、もやもや、チクチクした感じが残る。
そうしてからようやく、
本音が分からない
という感覚に気づくことがあります。
まず伝えたいのは、人に合わせること自体は悪くないということです。
相手の都合を見る。
その場の流れを壊さないようにする。
空気を読む。
それは社会の中で自然なことでもあります。
友人や同僚、上司や先輩との関係の中では、そうした調整が必要な場面もあります。
でも、その調整が続くと、自分の感覚や直感の方が置いていかれることがあります。
本当はどうしたかったのか。
嫌だったのか、そうでもなかったのか。
言いたかったのか、ただ怖かったのか。
そのあたりが、後からぼやけていく。
ここでしんどいのは、単に合わせたことだけではありません。
自分が選んだことなのに、どこか納得しきれない感じが残ることです。
自分で合わせた。
自分で「いいよ」と言った。
自分で黙った。
だから、自分で責任を取らなきゃいけない。
納得しなきゃいけない。
そんなふうに感じてしまうことがあります。
でも、ここは少し丁寧に見た方がいい。
その場で選んだことと、その時の自分の感覚が全部一致していたとは限りません。
選んだことは事実。
でも、その事実の中で、自分の違和感まで消えたことにはなりません。
だから、本音がすぐ分からなくても、おかしなことではありません。
むしろ、合わせることに慣れている人ほど、好き嫌いより先に
「その場をどう収めるか」
が動きやすい。
その結果、自分の感情が少し遅れて見えてくることがあります。
ここで大事なのは、感情をすぐに二分しないことです。
「嫌だったのか、嫌じゃなかったのか」
「本当は行きたかったのか、行きたくなかったのか」
そうやってすぐ白黒をつけようとすると、余計に分からなくなることがあります。
だから、まずは
違和感を見ていい。
それで十分です。
たとえば、
・ 何か引っかかる
・ 胸のあたりが少し重い
・ お腹にモヤモヤが残る
・ 後からじわっと疲れる
こういうものを、そのまま見てみる。
理由を急いで探さなくていい。
正しい感情名をつけなくていい。
「嫌だった」と断定しなくてもいい。
まずは、何かが残っていることに気づく。
それがかなり大事です。
もし余裕があれば、胸やお腹のあたりに少し注意を向けてみてください。
その違和感は、どこにあるか。
重さか、詰まりか、ざわつきか。
はっきり分からなくてもいいので、そこにある感じを少し見る。
そうすると、頭だけで「本音を探そう」とするより、少し拾いやすくなることがあります。
もう一つ役立つのは、「本当はどうしたかったか」を、理由探しせずに短く書いてみることです。
ここでも、正解を出そうとしなくていい。
立派に整理しなくていい。
たとえば、
・ 本当は少し断りたかったかも
・ 本当はあそこで一言言いたかったかも
・ 本当は少し考えたかったかも
・ 本当は今日は静かにしていたかったかも
このくらいで十分です。
ここで理由をつけすぎると、また説明に入ってしまいます。
「なぜそう思うのか」
「それは正当なのか」
「自分のわがままではないか」
そういう方向へ行きやすい。
だからまずは、理由探しの前に、どうしたかったかだけを置いてみる。
これは、自分の本音を無理やり掘り起こすためではありません。
置いていかれた感覚に、少し戻るためです。
本音が分からなくなる時、多くの人は
「こんな自分ではだめだ」
と責めやすい。
でも、合わせた自分を責めなくていい。
その場でそうするしかなかった事情もあったはずです。
空気を読んだ。
関係を壊したくなかった。
怖かった。
面倒にしたくなかった。
それもまた、その時の現実です。
だから、合わせた自分を責めなくて大丈夫です。
でも同時に、違和感を置き去りにしなくていい。
この二つは両立します。
合わせたことは責めない。
でも、何かが残っているなら見ていい。
そこを丁寧に持てるようになると、本音は急に全部分からなくても、少しずつ戻ってきます。
本音がすぐ分からなくても、何の心配もいりません。
むしろ、分からないことに気づけている時点で、もう何も感じていないわけではない。
そこにはちゃんと、まだ拾えるものが残っています。
・ 嫌かどうかすぐ決めない
・ 胸やお腹のモヤモヤを見る
・ 本当はどうしたかったかを短く書く
・ 合わせた自分を責めない
・ 違和感はそのまま見ていい
このくらいで十分です。
人に合わせているうちに、自分の本音が分からなくなる時、必要なのは、すぐ正解を出すことではないのかもしれません。
まずは、違和感を置き去りにしないこと。
それだけでも、かなり違います。
本音が見えにくい感じや、合わせたあとの違和感が続いているなら、
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