上司や先輩に話す前。
友人の相談や雑談に、真面目に答えようとする前。
自分も相談したいのに、言葉が止まる時。
疑問や反対意見を言いたいのに、口が開かない時。
そんなふうに、本音を言う前に正解を探しすぎて疲れることはないでしょうか。
何て言えば角が立たないかな。
これで本当に伝わるだろうか。
もっとちゃんと整理してから話さなきゃ。
質問を返されたらどうしよう。
こうして頭の中で考え続けているうちに、準備しているはずなのに、だんだん話すこと自体が苦しくなる。
頭が真っ白になる。
声が詰まる。
呼吸が浅くなる。
自分の心音がやけに聞こえる。
そんなことが起きることがあります。
まず伝えたいのは、本音を言う前に正解を探すことは、それ自体が雑な思考ではないということです。
むしろ、できるだけ丁寧に伝えたい。
誤解されたくない。
相手にちゃんと届いてほしい。
そういう気持ちがあるからこそ、言葉を選ぶ。
その姿勢自体は、思考の質として悪いものではありません。
ただ、その丁寧さが強くなりすぎると、今度は言葉に詰められなくて止まってしまうことがあります。
特に、伝えたい情熱がある時ほどそうなりやすい。
大事だからこそ雑に言いたくない。
ちゃんと伝えたいからこそ、簡単に言えない。
その結果、考えは速く回るのに、実際の言葉は出てこない。
この乖離がつらいのだと思います。
だからここで大切なのは、正解が見つかってからでないと話せないわけではないと知ることです。
話す前に全部まとまっていなくてもいい。
完全に整っていなくてもいい。
少し不完全でも、あなたのシンプルな言葉で十分なことがあります。
むしろ、上手に言おうとするほど、本当に伝えたいことから少し離れていくこともあります。
丁寧にしようとして、核心が後ろへ下がる。
整えようとして、気持ちが消える。
それはよくあることです。
今回のテーマで一つ大事なのは、本音を言う時に一番大切なのは、上手さだけではないということです。
もちろん、言い方は大事です。
でも、正確さや滑らかさだけがすべてではありません。
少しつかえてもいい。
少し不器用でもいい。
自分の言葉で出てきたものには、それだけで意味があります。
ここで役立つのが、結論を一文だけ先に置くことです。
これはかなり使えます。
難しい話だけではなく、日常でも練習できます。
たとえば、
・ 結論 眠い
・ 理由 お風呂にゆっくり入った
このくらいでいい。
大げさな文章じゃなくていい。
まず、何を一番言いたいのかを一文で置く。
それから必要なら理由を足す。
この順番にすると、頭の中で全部を完成させようとする負担が少し減ります。
仕事なら、
・ 結論 ここがまだ分かっていません
・ 理由 一度読んだのですが、ここで止まっています
相談なら、
・ 結論 少ししんどいです
・ 理由 うまく言えないけど、気持ちが詰まっています
反対意見なら、
・ 結論 そこは少し違うかもしれません
・ 理由 この点が気になっています
このくらいで十分です。
先に一文を置く。
それだけで、言葉の出口がかなり作りやすくなります。
もう一つ大事なのは、言葉より先に身体感覚に戻ることです。
これも、ある意味では実況に近いです。
結論を先に置く、というのと少し似ています。
頭の中で正解を探し続ける前に、いま身体で何が起きているかを見る。
喉が詰まっている。
胸がざわついている。
呼吸が浅い。
心音がうるさい。
ここに気づくだけでも、頭の中の高速回転から少し離れやすくなります。
そして、場合によってはその身体感覚自体が、そのまま最初の一言になります。
・ 今ちょっと喉が詰まって、うまく言えないです
・ 少し緊張してます
・ 胸がざわついていて、うまくまとまりません
こういう言い方でもいい。
むしろ正直です。
もし話す前に止まりそうなら、短く思い浮かべるか、少し書き出すのもいいです。
長く整理しなくていい。
一行でいい。
・ 一番言いたいことは何か
・ 今の身体はどうなっているか
この二つだけでも、かなり違います。
そして、正解を探しすぎて疲れる自分を責めなくていい。
むしろ、そこまで考えようとしたことには、丁寧さや誠実さがあります。
少し褒めてもいいくらいです。
ただ、その丁寧さが毎回、自分を苦しめる方へ働いているなら、少しやり方を変えていい。
全部を完璧に整えてからではなく、
不完全でもシンプルに言う。
結論を一文だけ置く。
身体感覚に戻る。
少し書き出す。
そのくらいからで十分です。
本音を言う前に正解を探して疲れる時。
必要なのは、もっと上手に話せるようになることだけではないのかもしれません。
まずは、正解を探しすぎている自分に気づくこと。
そして、不完全でも伝えていいと少し許すこと。
そこからで十分です。
ひとりで考え込みすぎて、言葉が出る前に疲れてしまうことが多いなら、
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