友人の相談を聞いたあと。
パートナーのしんどさを受け止めたあと。
後輩の悩みを何度も聞いたあと。
その場ではちゃんと聞いていたつもりなのに、一人になってから急にぐったりすることはないでしょうか。
相手がつらそうだと、こちらも自然と真剣になります。
ちゃんと聞かなきゃ。
何か役に立つことを言わないと。
聞いているだけでは悪い気がする。
ここで疲れた顔をしたらだめだ。
そうやって話を受け止めているうちに、自分まで重くなることがあります。
特にしんどくなりやすいのは、同じ相談を何度も聞く時かもしれません。
解決していない話を繰り返し聞く。
相手の不安やつらさが何度もこちらに流れ込んでくる。
すると、ただ聞いているだけのつもりでも、少しずつ自分の内側に重さがたまっていくことがあります。
まず伝えたいのは、相手に寄り添うことと、相手の重さまで背負うことは別だということです。
ここはかなり大事です。
真面目な人ほど、この二つがくっつきやすい。
ちゃんと聞くことと、何とかしてあげることを同じにしてしまいやすい。
寄り添うことと、相手の感情を自分の中に住まわせることを、無意識に一緒にしてしまいやすい。
でも、本当は別です。
相手の話を大切に聞くことはできる。
それでも、相手の苦しさまで全部自分が持ち続けなくていい。
ただ、頭でそう分かっていても、実際には難しいことがあります。
相談を聞いている最中は、自分のことより相手のことへ意識が向くからです。
表情、声のトーン、話の中身。
そこに集中するほど、自分の身体や心の反応には気づきにくくなります。
その結果、話している最中は持ちこたえていても、終わったあとに一気に出ます。
胸が苦しい。
どっと重い。
一人になってからぐったりする。
何もできなかった感じが残る。
相手の感情を、そのまま引きずってしまう。
こういうことは、珍しくありません。
むしろ、ちゃんと聞こうとする人ほど抱え込みやすいことがあります。
相手のしんどさを軽く扱いたくない。
中途半端に返したくない。
何か少しでも役に立ちたい。
そう思うほど、自分の側の余力を後回しにしやすいからです。
だから、相談を聞いたあとに重くなることを、すぐに
「自分が弱いからだ」
「共感しすぎるのが悪い」
と片づけなくていい。
まずは、今の自分の中に何が残っているかを見た方がいいです。
たとえば、話が終わったあとに少し立ち止まってみる。
胸のあたりはどうか。
呼吸は浅くなっていないか。
体のどこに一番重さがあるか。
頭はぼんやりしていないか。
分析しなくて大丈夫です。
ただ、「相手の話を聞いた今の自分」に何が起きているかを見る。
それだけでも、話の中に持っていかれたままの状態から、少し戻りやすくなります。
もう一つ大切なのは、自分の気分を短く言葉にしてみることです。
長く整理しなくていい。
立派にまとめなくていい。
ただ、
・ ちょっと重い
・ 思ったより疲れている
・ 胸が苦しい
・ まだ引きずっている
そのくらいでいい。
言葉にすることで、「相手の話」と「今の自分の状態」が少し分かれます。
それまでは全部が一つに混ざっていたものが、少しだけ見分けやすくなる。
これはかなり大きいです。
そしてもう一つ。
相手の問題と、自分の問題を分けてみることも役立ちます。
たとえば、
・ 相手が今つらいこと
・ 相手がまだ整理できていないこと
・ 自分が何とかしなきゃと思っていること
・ 自分が聞いたあとに重くなっていること
これらは、全部同じではありません。
でも、話を聞いている時は一緒になりやすい。
だからあとから少し分けてみる。
相手が苦しい。
それは相手の現実。
自分が重くなっている。
それは自分の現実。
この二つを分けることは、冷たさではありません。
むしろ、長く関わるために必要な整理です。
ここで気をつけたいのは、“何とかしなきゃ”を急ぎすぎないことです。
相談を聞いたあとにしんどくなる人は、聞いた段階で半分以上、自分が背負う側に入っていることがあります。
役に立つことを言わないと。
聞いているだけでは不十分だ。
ちゃんと支えないと。
そう思うほど、話が終わったあとにも自分の中で仕事が終わらなくなる。
でも、相談に対していつもすぐ答えを出さなくていい。
聞くこと自体に意味がある場面もたくさんあります。
相手の問題をすぐ解決できないことと、自分の関わりに意味がないことは別です。
何もできなかった感じが残る時ほど、そこを混同しやすい。
だからこそ、あとで少し戻る時間が必要です。
・ 呼吸や身体の感じを確かめる
・ 自分の今の気分を短く言葉にする
・ 相手の問題と自分の重さを分けてみる
このくらいで十分です。
相談を聞いたあと、自分まで重くなる時に必要なのは、もっと頑張って受け止めることではないのかもしれません。
むしろ、ちゃんと聞いたあとに、自分の“いま”へ戻ることの方が大事な時があります。
寄り添うことは大切です。
でも、背負い続けることまで優しさにしなくていい。
重くなったなら、重くなったと分かる。
疲れたなら、疲れたと認める。
そこを後回しにしないことが、結果的には相手との関わりを長持ちに、そして自分の心を健全にさせます。
対人場面で相手の悩みや感情を引きずりやすく、一人になってからもしんどさが抜けにくいなら、
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相談を聞いたあと、自分まで重くなる時に見直したいのは、ちゃんと聞けていたかどうかだけではありません。
聞いたあとに、自分の感覚へ戻れているかどうかも大切です。
相手に寄り添うことと、背負い続けることは別です。
まずは、自分の“いま”に戻るところからで十分です。