職場の雑談で、気づかないうちに気を遣いすぎてしまうことはないでしょうか。
変な空気にしないこと。
相手を不快にさせないこと。
会話が途切れた時に、何か言った方がいい気がすること。
その場では何とかやり過ごしていても、家に帰ってからどっと疲れる。
そんなことがあるかもしれません。
人に気を遣うこと自体は、悪いことではありません。
相手の様子を見て、言葉を選んで、その場を保とうとする。
それは雑さではなく、むしろ丁寧さに近いものでもあります。
ただ、その丁寧さが続きすぎると、自分の方が消耗していくことがあります。
会話が終わったあと、体は疲れているのに休まらない。
一人になるとどっと力が抜ける。
逆に、緊張が抜けきらず、ぼんやりしたまま消耗だけが残る。
そういう疲れ方は、ただ忙しかっただけではないかもしれません。
その場ではうまくやれていたように見えても、内側ではずっと気を張っていた。
空気を悪くしないように。
相手を不快にさせないように。
変に思われないように。
そうやって少しずつ力を入れ続けていたなら、疲れるのは自然です。
まず伝えたいのは、気を遣いすぎて疲れること自体は、おかしなことではないということです。
人の反応に敏感な人ほど、場の流れをよく見ています。
何を言えばいいか、どこまで言っていいか、相手がどう受け取るかを先回りして考えることがあります。
だからこそ、その場では何とか合わせられる。
でもその分、自分の疲れに気づくのが遅れやすいこともあります。
気を遣っている時は、相手に意識が向きやすい。
相手の表情、返事の仕方、場の空気。
それを見ながらやりとりしていると、自分の体がどうなっているかは後回しになりやすいものです。
だから、疲れてからようやく
「今日はずっと気を張っていたな」
と分かることもあります。
そんな時は、まず自分の感覚に少し戻っていいです。
大きなことをしなくて大丈夫です。
気持ちをきれいに整理しなくていい。
ただ、自分の体が今どうなっているかを少し見てみる。
肩や首に力が入っていないか。
胸のあたりが固くなっていないか。
呼吸が浅くなっていないか。
座っているなら、椅子に触れている感覚はあるか。
立っているなら、足の裏はどうか。
こういう感覚は、気を遣っている最中には見えにくくなります。
だからこそ、あとからでもいいので、自分の方へ少し意識を戻すことが大事です。
もし余裕があれば、吐く息を少し長めに1回だけ出してみてください。
深く整えようとしなくて大丈夫です。
今より少し長く吐く。
それだけでも、張ったままの体が少しゆるむことがあります。
気を遣いすぎて疲れる人は、疲れたあとでも
「これくらい普通かもしれない」
「自分が気にしすぎているだけかもしれない」
と流してしまうことがよくあります。
でも、疲れたなら疲れたでいい。
しんどかったなら、しんどかったでいい。
そこを雑に扱わないことが大切です。
そのために役立つのが、「今日は気を遣っていたな」と言葉にしてみることです。
立派な振り返りでなくて大丈夫です。
分析しなくていい。
ただ、今日の自分の状態をそのまま認めるように、短く置いてみる。
• 今日は気を遣っていたな
• ちょっと張りつめていたな
• 話聞くのも思ったより疲れていたな
そのくらいで十分です。
そして、できればそこにもう一つだけ足してみてください。
• それでもちゃんとやっていた
• 気づけたのはよかった
• 今、疲れていると分かっただけでも十分
気を遣う人は、できなかったことや言えなかったことの方を見やすい。
でも、本当は今日も場を保とうとしていたし、相手に配慮しようとしていたし、その中でちゃんとやっていたり出来ていた部分もあるはずです。
ここで無理にポジティブになる必要はありません。
ただ、疲れた自分を雑に切り捨てない。
気づけたことを小さく認める。
それだけでも、消耗のしかたは少し変わります。
人に気を遣いすぎて疲れる時、必要なのは「もっと頑張ること」ではないことがあります。
むしろ、相手に向き続けていた意識を、少し自分に戻すことの方が先です。
• 呼吸を1回だけ長めに吐く
• 肩や胸の力みに気づく
• 今日は気を遣っていたな、と言葉にする
• 自分の疲れを後回しにしない
このくらいで十分です。
少しでも自分の疲れに気づけたなら、それはもう何もできていないわけではありません。
人に気を遣った自分を責めなくていい。
まずは、疲れている自分にも気づいていい。
一人で抱え込んでいると、気を遣うことが当たり前になって、自分の消耗に気づきにくくなることがあります。
話しながら整理したいなら、対話の中で少しずつ見えてくることもあります。
呼吸や感覚に戻る練習を、もう少し静かに試してみたいなら、オンラインでの瞑想も選択肢になります。
人に気を遣いすぎて疲れる時、まず自分の感覚に戻っていい。
相手を大切にしようとしていたことと、自分が疲れていることは、両立します。
だから、疲れをなかったことにしなくて大丈夫です。
今日は気を遣っていたな。
少し疲れていたな。
そう気づけたなら、そこがひとつの戻り場所になります。