助けてほしいのに、自分で抱えようとする時。
本当は一人では少しきついのに、解決できなくはないからと、大丈夫なふりをする時。
そんなことはないでしょうか。
上司や先輩に聞けば早い。
同僚に一言相談できれば少し違う。
友人やパートナーに、少し助けてほしいと言えたら楽かもしれない。
頭ではそう分かっていても、口はなかなか開かない。
呼吸が浅くなる。
背中のあたりが少し冷たくなる感じがする。
肩に力が入る。そしてため息。
そのまま、自分でどうにかする方向へ進んでいく。
そして、たとえ解決したとしても、なぜか心の消耗が残る。
この苦しさやしんどさは、けっこう深いものです。
頼れない時、頭の中では
「うまく助けを求められない」
「弱いと思われたくない」
「もっと頑張れば、声をかけてもらえるかも」
みたいな言葉が回っていることがあります。
ここには、いくつかの気持ちが混ざっています。
助けてほしい。
でも、うまく言えない。表現できない。
弱く見られたくない。
自分のほうから言うのは、なんだか負けたような感じがする。
そうしているうちに、頼るより先に抱える方へ心身が向いていく。
だからまず大事にしたいのは、一人で抱える方が安心に感じることもあるということです。
頼らない方が気楽。
頼るくらいなら、自分でなんとかしたい。
そう感じる人は少なくありません。
頼ると、説明がいる。
相手の反応も気になる。
うまく伝わらなかった時の気まずさもある。
それなら自分でやる方が早いし、静かに済む。
そういう安心は、たしかにあります。
だから、頼れないこと自体を、すぐ悪いことみたいに決めなくていいのです。
その時の自分にとっては、それが一番安全なやり方に見えていたのかもしれません。
ただ、そのやり方が自分に本当に合っているかどうかは、あとから残る後悔の強さを見ると少し分かることがあります。
たとえば、頼らずに終えてみて、
「まあ、これでよかったな」
くらいで済むなら、その場では一人で抱える方がまだ合っていたのかもしれない。
でも、
「やっぱり少し助けてほしかった」
「解決したけど、すごく疲れた」
「一人で抱えたという事実そのものがしんどい」
そういう後悔が強く残るなら、その抱え方は、その人にとって少し重すぎたのかもしれません。
ここは大切です。
頼れなかったことそのものより、頼れないまま抱え込み続けることが、自分をじわじわ苦しくしていくことがあります。
特にしんどいのは、問題が片づいたあとです。
外から見ると、ちゃんと終わっている。
何とかなっている。
でも、自分の中には
「本当は助けてほしかった」
という事実が残っている。
それが残ったままだと、次もまた同じように抱えやすくなる。
そして少しずつ、助けを求める力より、抱え込む癖の方が強くなっていく。
その流れは、やはり苦しい。
だから、頼ることは弱さというより、状況を動かす一手として見た方が現実的です。
全部を預けることではない。
何もかも分かってもらうことでもない。
ただ、少し流れを変えるために、一つだけ外に出す。
そのくらいの頼り方でもいいはずです。
今回のテーマで使いやすいのは、質問を一番聞きたい一つに絞ることです。
頼れない人ほど、うまく言わなきゃと思いやすい。
背景も説明したい。
誤解されないようにしたい。
ちゃんとした相談にしなきゃと思う。
でも、それで余計に言えなくなることがあります。
だから、まずは一つでいい。
・ ここだけ分からないです
・ この件だけ少し相談してもいいですか
・ 今ここで少し迷っています
・ 少し助けてほしいです
このくらいで十分です。
大きな相談にしなくていい。
一番聞きたいことを一つだけ出す。
それだけでも、抱え込みの流れは少し変わります。
そして、もしその場で頼れなかったとしても、あとから自分の本音を確認することには意味があります。
本当はどうしたかったのか。
少し助けてほしかったのか。
説明してほしかったのか。
ただ聞いてほしかっただけなのか。
そこを見ないまま
「まあ終わったし」
で済ませてしまうと、本音がまた置き去りになります。
逆に、頼れなかったあとでも
「本当は助けてほしかったんだな」
と分かるだけで、次の場面では少し違う選び方ができることがあります。
ここで大事なのは、頼れなかった自分を責めることではありません。
責めると、また次も言えなくなる。
だから見る。
確認する。
そのくらいでいい。
もう一つ大切なのは、言えなかった時にも、本音をなかったことにしないことです。
言えなかった。
でも、助けてほしい気持ちはあった。
そこは消さなくていい。
その事実は、その人の弱さではなく、その人の限界や必要を知らせていたものかもしれないからです。
同時に、できたことや乗り越えられたことを拾っていい。
頼れなかったことだけを見るのではなく、
・ 最後までやり切った
・ 途中まで整理できた
・ 苦しかったことに気づけた
・ 次は少し頼った方がよさそうだと分かった
そういうものも見ていいのです。
頼れなかった自分を責めるだけだと、次の一歩は出にくくなります。
でも、できたことも一緒に拾うと、抱え込み方を見直す余地が少し残ります。
頼りたいのに頼れない時。
必要なのは、急に上手に頼れる人になることではないのかもしれません。
まずは、
・ 一人で抱える方が安心に感じることもあると知る
・ あとから残る後悔の強さを見る
・ 質問を一番聞きたい一つに絞る
・ 頼れなかったあとも、本音を確認する
このくらいからで十分です。
頼れない自分を責めなくていい。
でも、抱え込みがつらすぎるなら、少し頼る方がその人には合っているのかもしれない。
言えなかった時も、本音はなかったことにしなくていい。
同時に、できたことや乗り越えられたことも拾っていい。
そこからで十分です。
一人で抱え込むことが増えて、静かな消耗が続いているなら、
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