相手を気づかったつもりだった。
少しでも場がやわらぐように。
少しでも相手が楽になるように。
そう思って言ったのに、なんとなく変な空気になった。
相手の顔色が、少し暗くなった気がした。
そんな時、あとから胸が重くなることはないでしょうか。
何もしない方がよかったのかもしれない。
また言葉にして、少しズレた。
なんでうまくできないんだろう。
そうやって考え始めると、頭の中に白い影がもやっと広がるような感じがして、顔まで強張ってくる。
うまく役に立てていないのに、なぜか自分だけが疲れている。
そんなやりきれなさが残ることがあります。
このしんどさは、ただ「気まずかった」で終わりません。
意味のない一人反省会が始まる。
また同じようなことになる気がして、人と関わるのが少し億劫になる。
そのうち、善意で動こうとする回数そのものが減っていく。
そこまでいくと、空回りした一場面以上に、自分の中の何かがしぼんでいく感じがあります。
大切にしたいのは、うまく届かなかったことと、自分の価値どうこうは別の話だということです。
ここは分けた方がいいです。
配慮がうまく届かなかった。
言葉が少しズレた。
相手に思った通りには入らなかった。
それは事実としてあるかもしれません。
でも、その事実からすぐに
「自分はだめだ」
「気をつかう資格がない」
「もう黙っていた方がいい」
まで行くのは、飛びすぎです。
なぜなら、その場で起きたのは一つのズレであって、あなたの人間性全体の判定ではないからです。
しかも、そのズレの中には、少なくとも「どうにかしてあげたかった」「少しでも楽にしたかった」という気持ちがあった。
そこまで全部なかったことにすると、事実を雑に切ることになってしまいます。
気づかいは、いつもまっすぐ届くとは限りません。
相手のその日の余裕。
受け取り方。
言葉に乗った温度。
タイミング。
いろいろなものが重なって、少しズレることがある。
だから、配慮が相手に届くまでにズレることはあっても、全部を否定しなくていいのです。
ここはかなり大事です。
今回のテーマで見たいのは、
何がズレたのか と、どうしてあげたかったのか を分けて見ることです。
多くの人は、空回りしたあと
「また失敗した」
だけで終わらせます。
でも本当は、その中に二つあります。
一つは、何がズレたのか。
もう一つは、どうしてあげたかったのか。
たとえば、
・ 元気づけたかったのに、軽く聞こえたかもしれない
・ 場を和ませたかったのに、逆に浮いたかもしれない
・ 助けたかったのに、先回りっぽくなったかもしれない
この見方をすると、少し違って見えてきます。
うまくやれなかったことはある。
でも、そこにあった意図まで汚れていたわけではない。
ここを一緒くたにしないことが大切です。
〈役に立てないと感じる時、自分の価値まで下げないために〉←コチラもご参照ください
そしてもう一つ大きいのは、相手の反応と、自分の妄想を分けることです。
相手の顔色が少し暗く見えた。
空気が変わった気がした。
それは、あなたがそう感じた事実です。
でもその先にある
・ 嫌な思いをさせたに違いない
・ 失望された
・ 迷惑だった
・ もうこの人には何も言わない方がいい
このあたりは、まだ証拠が薄いことも多いです。
不安が強い時、人は証拠のないところを自分の想像で埋めてしまいます。
だから、そこに気づくだけでもかなり違います。
相手の反応が気になる。
それ自体は自然です。
ただ、その反応に意味をつけすぎると、自分の中で傷が大きくなっていきます。
ここで必要なのは、相手を悪者にすることでも、自分を切ることでもなく、証拠の無さに気づくことです。
それでも気になるなら、次にひとつだけ変えるなら何か、を見る。
そこまでで十分です。
全部反省しなくていい。
全部作り直さなくていい。
一つだけでいい。
・ すぐ励ます前に、少し相手の言葉を待つ
・ 自分の意見を足す前に、まず一言だけ返す
・ 助けたい時ほど、先に相手の様子をもう少し見る
・ 言葉を増やしすぎず、短くする
そのくらいでいい。
小さく直す。
それは、自分を責めることとは違います。
気をつかっているのに空回りする時、つらいのは、うまくやれなかったことだけではありません。
そこから少し人と距離を取りたくなること。
うまく関わろうとした自分まで、だんだん信じられなくなること。
人と人のあいだで起きるこういう小さな孤独感は、たいてい静かで、でも地味に効きます。
だからこそ、雑に扱わない方がいい。
今回いちばん伝えたいのは、空回りした自分を責めないことです。
気づかいが届かない日はある。
うまくやれなかった日もある。
でも、うまくやれなかったことと、気づかおうとした自分を、一つの区分で点数づけしなくていいのです。
ズレたことはズレたこと。
気づかおうとしたことは、気づかおうとしたこと。
この二つを分けるだけで、自分への厳しさは少し変わります。
気をつかっているのに空回りする時。
必要なのは、もう二度とズレないことではないのかもしれません。
まずは、
・ 何がズレたのかを短く見る
・ どうしてあげたかったのかも拾う
・ 相手の反応と、自分の妄想を分ける
・ 次に一つだけ変えるなら何かを見る
このくらいからで十分です。
空回りした自分を責めなくていい。
気づかいが届かない日もある。
でも、うまくやれなかったことと、気づかおうとした自分まで一緒に切らなくていい。
そこからで十分です。
人との関わりのあと、反省会が長引いて苦しさが残るなら、
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